映画『火まつり』のロケ地 二木島と尾呂志神社へゆく



7月20日の海の日に二木島へ行ってきました。中上健次脚本の映画『火まつり』のロケ地であったという、只、それだけの理由で行ってきました。熊野川沿いの国道168号線から熊野市へ続く険しい山道の311号線を走り、途中、尾呂志神社へ寄ってから国道42号線へ出て、鬼ケ城の辺りから再び今度は海沿い走る311号線を走って二木島へ辿りつくという山あり海ありの道程でした。山の中を走った後の海は、とても新鮮に感じることがあります。紀伊半島は山、川、海の三つ自然がまじりあったところだと言われていますが、熊野地方は特にそういう色合いの濃いところで、深い山を走っている積もりが、いきなり海に出たりします。二木島もそうしたところで、漁港からほんの数百メートル上流の川が、まるで山奥の渓流のような相で、アマゴが釣れるのでは?と思うほどでした。二木島は小さな漁村で、映画で見た感じより何もかもが狭く小さく感じられ随分と違う感じがしました。お年寄りの話す言葉が映画の通 りのイントネーションだったのが印象的でした。美人の多いところだと聞いていましたが、若い美人にお目にかかることはありませんでした。むかしは美人だったかもと思うような古い美人は何人か居たかも知れません。写 真は311号線から二木島を写したものです。


二木島の近くにある新鹿海水浴場の夕方の写真です。昼間はそこそこ海水浴客で賑わっていました。写 真から、重なり合った山々からいきなり海だというのがよく分かると思います。交通 の便が悪いだけにこの辺りは観光地化されてなく、鄙びた漁村の良さが残っていました。都会からこういうところへ来て、しばらく民宿にでも泊まりながら釣りをしたり泳いだりするのも楽しいかも知れません。

 


紀和町に尾呂志神社というのがあることが分かり、その名前に惹かれてお参りしてきました。尾呂志という村は熊野川沿いを走る168号線から玉 置山方面へ折れ、311号線を走り風伝峠を越えたところにあり、その風伝という地名にもなにか惹かれるものを感じていました。尾呂志神社は民家や田圃を走る小道から、一段低くなった谷間にあり、見付けるのに少し難儀しました。道沿いには鳥居があり、そこを下りてゆくと奇麗な川が流れており、古い石橋を渡ったところに尾呂志神社はありました。日差しが強くて暑い日でしたが、木陰と清流の川面 を走る冷たい風による天然のクーラーが効いて爽やかなことろでした。入り口の鳥居は新しいものでしたが、社殿の鳥居も狛犬も古そうで、特に狛犬は味わい深い姿をしていました。尾呂志神社という名前から、勝手に珍しい神様でも祀っているのかと想像していましたが、祭神は応神天皇であることが書かれていました。そこで応神天皇を少し調べてみたところ、応神天皇とは八幡大菩薩のことであり、八幡信仰とは応神天皇を祀ったものであるということが分かりました。そんなこと今まで知りませんでした。いろんなところへ行くと、いろんなことを学ぶものです。






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