荒れた海で釣りをする


 


海が荒れた後は思わぬ大物が釣れることがある。南紀熊野では台風3号の影響もほとんど無かったので、荒れも収まり絶好の釣り日和だと決め込んで釣仲間と磯釣りに行く。しかし、現地に着いてみたらかなりうねりが残っていた。とてもじゃないが怖くて磯の前まで行けない。それでも釣りバカたちは無謀にも釣を始めた。うねりが激しくウキが波にもまれ当りが取れずに難儀するが、それでも向こう合わせで釣れた。ふだんあまり見ない魚やイサキがぽつぽつ釣れ出した。しかし、調子に乗って磯の前で釣っていると大きな波に襲われて全員頭から潮を被ってしまった。びしょ濡れになっても誰も帰ろうとはいわないところが釣りバカの怖いところである。正直言って僕は帰りたかった。帰って寝たかった。

 

うねりが収まるまで磯の上で待つことにした。しかし、待切れずに波打ち際から離れて釣を始める。仲間のひとりに大きな魚が掛かり、玉 を持って波打ち際まで行き取り込みに意識をとられていたら腰まで波に洗われて怖い思いをする。そして結局、魚の顔も見ないでバラしてしまった。夜中、僕は釣りを止めて海と星空を2時間程眺めていた。とても綺麗な星空で天の川もはっきりと見ることができた。流れ星もいっぱい見つけた。結局、朝になってもうねりは収まらず思ったほども釣れなかった。このような釣りには、高波が来る来ないの見極めができる人がいないと危険です。皆一度は波にさらわれた経験があるので海の怖さを熟知しているのです。 釣に限らず自然の中で遊んだ後はとても疲れますが、心身が癒された感じがして、ぐっすり眠れます。






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