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職人歌合絵巻

中世から近世にかけて賤民とされた人々

座頭
1 長吏=穢多・皮多身分のことである。
2 座頭=座頭とは、この当道座に属する盲人一般のことで、琵琶・箏曲・四弦を奏じたり、鍼灸や按摩にたずさわった。
舞々
猿楽
3 舞々=曲舞・幸若舞などを総称している。曲舞は南北朝から室町にかけて流行し、鼓にあわせて詞章を歌い舞う。
4 猿楽=中国の「散楽」に起源を持ち、平安時代には、滑稽なしぐさ芸、物まね芸が中心になった。
陰陽師
壁塗
5 陰陽師=中国発祥の陰陽道の占法呪術作法を行う宗教家をいう。卜占・暦算・加持祈祷を行う。
6 壁塗=壁を塗る職人で、左官とか泥工。
土鍋師
鋳物師
7 土鍋師=土焼きの鍋を作る人、またそれを売る人。
8 鋳物師=鉄でもって種々のものを作る鋳物職人のことで、鐘などを作る専門家もいる。
辻目暗
非人
9 辻目暗=寺社や街道で琵琶を弾き、語りを行ったり祈祷をしたりする盲目の雑芸人。当道座には属してなく、乞食とみなされていた。
10 非人=生計は乞食をすることでまかなうことを原則とする。「抱非人」(小屋持非人)と、無宿の浮浪者「野非人」(無宿)をは区別 される。
猿曳
弦差
11 猿曳(猿引・猿飼・猿回し)=猿に種々の芸をさせて、馬の安全などを祈祷する。
12 弦差(弦召・弦女曽・犬神人)=木に弦を張って弓を作る職人で、京都では犬神人と呼ばれ、八坂神社に隷属し、洛中の死屍の始末にあたった。
石切
土器師
13 石切(石屋)=石材を山から切り出したり、石に細工をする者である。
14 土器師=釉薬を用いない素焼きの土器を作る人で、土でこねて、竃で焼く。また土器を売り歩く人。
放下師
傘縫
15 放下師=はじめは僧形で、恋歌を書いたり短冊に笹を吊るし背に負って歩き、品物を宙に投げあげて曲取りする芸や物語り歌を唄った。
16 傘縫=菅の葉を糸で縫って、菅笠を作る人。
渡守
山守

17 渡守=渡し船の船頭で、「わたりもり」とも読む。また川守ともいう。かつては河原者などが、その仕事にたずさわった。

18 山守=山を荒らされたりしないように、また山火事を見張る仕事で、のちの番非人のことだろう。
青屋
坪立
19 青屋(藍屋)=藍染を仕事にする者で、上方では江戸時代中頃まで、牢屋番・牢舎清掃の労役を課されていた。
20 坪立=残存する各種の「御証文」を比較してみると、坪立のない御証文には壺師とか壺作とかが出てくる。
筆結
墨師
21 筆結=筆を作る人。動物の毛を使用するためにここにあげられたのだろうか。
22 墨師=油煙や松の根を焼いて出てくるススを、ニカワ液を使って練り固めて墨を作る職人。
関守
獅子舞
23 関守=中世では、渡河地点に設けられた。関所の番は河原者にまかされ、渡守がその役をかねたこともある。
24 獅子舞=獅子の頭をかぶって舞う人。舞いは唐から伝わり、舞楽として演奏された。
蓑作り
傀儡師
25 蓑作り(蓑作)=茅や菅、藁や棕櫚を材料にして、農具や雨具を作る人。
26 傀儡師=人形を回したり、今様を唄ったりした遊芸の人。
傾城屋
鉢叩
27 傾城屋=遊女屋のことである。
28 鉢叩=念仏踊りの一種。瓢箪を叩き、念仏を唱えながら踊る。
鐘打
盗賊
29 鐘打=鐘叩きともいう。もとは一遍上人の遊行に従い、薪水の仕事をつとめ、功徳のために埋葬の事にもあたった者。
番外1 盗賊
湯屋
人形舞
番外2 湯屋 
番外3 人形舞

参考文献 弾左衛門とその時代 icon 塩見鮮一郎著 批評社






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