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入鹿温泉駅に着いたので、駅の待合室で時刻表と料金を確かめる。なんと入浴料金込みの往復料金が400円であった。思ったより安いので、いったいどんな温泉なのか不安になる。時刻表によると、トロッコ列車は約1時間半間隔で出ていた。10分ばかり待ったらトロッコ列車が温泉から戻ってきた。ううう、なんじゃこれは〜。まるで遊園地のお猿の電車みたいである。乗車するところは高さが150センチぐらいしかなく、身をかがめて乗らなくてはならない。閉所恐怖症気味なので、やっぱりクルマで行こうかなとも躊躇したが、トンネルの中がどうなっているのか、好奇心の方が強かったので我慢することにした。少したってから走り出し、すぐに坑内に入って行く。ひんやりして中はかなり冷たい。それに金気かなにかのガスの臭いがした。乗り心地はガタガタとかなりの振動で、かえって坑内を走っている雰囲気があった。10分間ほとんどすべてがトンネルの旅であった。湯ノ口温泉駅に着いてみたら思ったより感じのよいところであった。駅のすぐ近くに湯の口温泉はあった。鉱山を掘っていて温泉が涌き出し、一度は涸れてしまったが、もう一度調査のボーリングをしたら、地下1300メートルのところから46度の天然温泉がこんこんと湧き出したのだそうだ。泉質は透明なナトリウムカルシウム塩化物泉で、内湯と露天風呂がある。ややすべすべしていて良好な泉質であった。シャワーも勢いがあり、ボディソープも装備していた。売店にアイスクリームも売ってあったし、とても気に入ってしまった。長期湯治用の宿泊施設もあり、値段も町営なので安そうであった。ゆっくり入浴して再びトロッコ列車に乗って帰ったが、火照った身体に坑内のひんやりした冷たさが気持ち良かったです。 |