湯布院と別府の旅




【由布岳】

標高1583,3メートルの由布岳の麓に広がる湯布院町は、由布岳をはじめ1000メートル級の山々に囲まれた標高約500メートルにある盆地で、全国三位 の湧出量を誇る温泉天国です。共同温泉や美術館、それにお洒落なお店もたくさんあって、散策するのに楽しいところだと聞いていましたので、湯布院駅の近くでレンタル自転車を借りて町の中を散策してみました。知らない土地の田舎道を、風を感じながら自転車を漕いでいると、新鮮な爽やかな気分に浸れました。写 真は金鱗湖へ向かう途中、由布岳をバックにパカパカとのんびり走る観光馬車を写 したものです。馬車を引く馬のパカパカという蹄の音が、古い温泉地の情緒を醸し出していました。

 

 

【金鱗湖】

湯布院の名所のひとつである金鱗湖は冬でも水温が高く、朝霧で知られたところだそうです。水温が高いからなのか、色んな種類の魚が泳いでいました。湯布院駅から金鱗湖へ向かう途中には、お土産屋さんなどが立ち並ぶ湯の坪街道と呼ばれる観光銀座があり、湯布院映画祭の最終日ということもあってか、観光客の人たちで賑わっていました。湖畔には共同温泉の下ん湯やシャガール美術館などがあって、時間がいくらあっても足らないくらいでした。また湖畔に天祖神社という古びた神社があったので、お参りしてみたところ、祭神がアメノミナカヌシ、スサノオ、カグツチ、コトシロヌシと書かれてありました。夜は湯布院の宿の温泉に浸かって、旅の疲れを癒しました。

 

 
 

【鶴見岳山頂より別府を望む】

翌朝、湯布院から別府へと向かうやまなみハイウェイを走っていると、別 府ロープウェイというのがあったので、頂上の鶴見岳まで登ってみました。建設された1962年当時では、高低差約800メートルを約10分で山頂まで運んでくれる世界一のロープウェイだったということです。、山上には赤い鳥居が二カ所にあって、鳥居の傍らには山中守護として役の行者の石像を祀り、七福神巡りがありました。山頂には火山の神である火之加具土命と火焼速女命の男女神を祭る火男火売神社の上宮があり、約1200年前の鶴見岳大噴火のときに、火山を鎮めるためにお祭りしたとのことで、別 府温泉の鎮守神でもあるそうです。 また山頂近くには、脳天白龍という面 白い名前の龍神を祭っており、頭が良くなるということなのでお参りしましたが、帰りに忘れ物をしました。 写真は標高1374,5メートルの鶴見岳山頂より別府の方を写したものです。

 

 


【竹瓦温泉】

至る所から湯煙があがる日本一の温泉地帯である別府には、約3000の源泉があるそうです。市内には別 府八湯と呼ばれている温泉エリアがあり、その中のひとつが明治12年創業の竹瓦温泉です。ここには砂湯があり、古い風格のある建物の中に昔ながらの浴場がありました。建物の左側が砂湯の浴場、右側が普通 の浴場になっていました。砂に埋められるなんて、小学生ころの海水浴以来でしたので、少しワクワクしながら砂湯の浴場に入りました。中にはおばさんが数人いて、まずかけ湯をしてから、タオルを頭に乗せて砂に寝転んで下さいと言われました。タオルは一つしかないし、頭にタオルを乗せたらフリチンになってしまうしで、おばさんとはいえ、フリチンになるのは恥ずかしいし、でも湯船にタオルをつけないで下さいとよく書いてあるから、きっと砂湯もそういうことなんだろうと、恥ずかしさを抑えて、頭にタオルを乗せて砂湯へと歩いて行って砂に寝転んだのでした。 そうしたら、おばさんは少し怒ったように、前を隠して下さいと言うのです。 えっ、頭にタオルって言いませんでしたかと問い返したら、砂に敷いているタオルに頭を乗せてと言ったのですと笑われました。タオルを頭にフリチンで砂湯まで歩いて行った僕のことを、きっと変な人だと思ったかも知れません。頭隠して尻隠さずでした。恥ずかしいさで余計に汗をかいた砂湯でした。


 
 

【地獄巡り 海地獄】

別府観光の定番コースとして地獄巡りというのがあります。あまり定番コースは好きではないのですが、地獄巡りは見学しておいた方が良いと聞いていましたので、まず海地獄から見てまわりました。コバルトブルーの池からはもくもくと湯気が上がり、神秘的な雰囲気を漂わせていました。この池は約1200年前の鶴見岳大噴火によってできたもので、摂氏98度の温泉が湧き、深さはなんと200メートル以上もあるそうです。この池にタマゴを浸けると約6分で温泉タマゴができあがるそうで、温泉タマゴを買って食べてみましたが、よく食べている熊野の湯の峯温泉の温泉タマゴとは違った味わいがあって美味しかったです。地獄蒸し焼きプリンというのも食べました。

 

 


【山地獄】

地獄巡りは一ヶ所だけの見学だと400円、すべての地獄巡りができる共通 券を買うと2000円ということでしたので、共通券を買ってしまった手前、結局はすべての地獄を見てまわりました。しかし、面 白いところばかりではなく、つまらないところもあって、少し時間の無駄 をしてしまった気がしました。地獄だけではお客が呼べないのか、ワニや熱帯魚、植物園を兼ねて運営していました。最初に行った海地獄と山地獄は面 白いところでした。地獄を背景に、なにが面白いのか笑っています。

 

 


【山地獄に住まうカバくん】

山地獄の温泉で飼育されているカバの昭平くんです。このカバが実に面 白かったのです。カバの餌として、蒸したジャガイモを皿に乗せて100円で売っていましたが、そのジャガイモを観光客が買って、カバの口に投げ入れるのです。カバくんは大きな口を開けたまま、上を向いて目を細めて観光客が投げ入れたジャガイモを幸せそうに素飲みしていました。なんだか温泉に浸かって美味しいものをたくさん食べた自分の姿を見ているようでした。温泉には、身体だけでなく、心も暖かく癒してくれる力があるみたいです。


 
 

【海地獄に咲く蓮の花】

湯布院と別府を二日で見たいところを見てまわり、温泉にも入浴するなんて、とても無理でした。あまりにも見たいところも温泉も多すぎました。宿の温泉も共同温泉も、また外湯として入った湯も、みんな泉質が異なり、それぞれとても良い温泉でした。最後に入った明礬温泉は別 府保養温泉ランドの鉱泥湯も楽しかったです。泥が体積した鉱泥温泉で、泥色をした温泉に入ると、身体がフワッと浮きました。足を伸ばしてしばし浮遊感覚を味わいました。また露天風呂は混浴となっていて、若いおねんちゃんがふたり入浴していて、そのまわりを男たちが囲むようにして入っていました。 僕もその輪に加わってみましたが、湯が泥色なので残念でした。若いにいちゃんのふたり組みが、背後からじわりじわりとおねえちゃんたちににじり寄っていくのには笑ってしまいました。湯布院、別 府と、色んな種類の温泉に入ることができて、心は蓮の花のようになりました。


 





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